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再エネ化とは具体的に何をしたらよいのか?全手法とそれぞれのメリットとデメリットを徹底解説!

再エネ化とは具体的に何をしたらよいのか?全手法とそれぞれのメリットとデメリットを徹底解説!

近頃、「再エネ化」という言葉をよく聞くようになりましたが、具体的にどのような取り組みが必要なのでしょうか?

温室効果ガス削減、電力コストの最適化、企業価値の向上・・・。再エネ化を進める理由は数多くあります。世界中の企業が脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入を急速に進めている中、日本企業も例外ではありません。

特に、国際的なイニシアティブへの参加や達成が求められる中で、再エネ化は必須の取り組みとなっています。

本記事では、再エネ化を実現するための全手法について、環境教育と持続可能な社会づくりの専門家である池田陸郎がわかりやすく解説します。自社に合った手法を見つけ、明日から具体的な一歩を踏み出しましょう!

目次

再エネ化に関する主なイニシアティブ

再エネ化に欠かせないのが指標となるイニシアティブです。これらのイニシアティブは、企業が持続可能な社会を実現するための具体的な行動指針となっています。

  • RE100:企業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す国際的イニシアティブ。
  • 再エネ100宣言 RE Action:日本独自の取り組みで、中小企業や自治体でも参加しやすい枠組み。
  • SBT(Science Based Targets):科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減目標を設定するための取り組み。
  • CDP:気候変動への取り組み状況を評価・スコア化する国際的な枠組み。

特にRE100やRE Actionでは、再エネ電力の導入(再エネ化)が達成のための大前提となっており、各企業が真剣に取り組み始めています。しかし、「再エネ化したいけれど、何から手をつけていいのかわからない」と感じる方も多いのではないでしょうか?

再エネ化の3つの主要手法

再エネ化を実現する手法は、大きく分けて次の3つに分類されます。

  1. オンサイト発電:自社で再エネを発電する手法
  2. オフサイト発電:外部の再エネ電力を調達する手法
  3. 再エネ電力メニュー:電力会社の再エネプランを利用する手法

これらの手法を組み合わせることで、より効率的に再エネ化を進めることが可能です。それでは、それぞれの手法を具体的に見ていきましょう。

1.オンサイト発電 - 自社で再生可能エネルギーを生み出す

オンサイト発電とは、自社の施設や敷地内で再生可能エネルギーを発電する手法です。

主な方法

  • 太陽光発電:工場やオフィスの屋根、空き地に太陽光パネルを設置する。
  • 風力発電:敷地内に小型風力発電装置を導入する。
  • バイオマス発電:廃材や生物資源を活用してエネルギーを生み出す。

メリット

  • 自社で電力を賄えるため、電力コスト削減につながる。
  • 設備が完成すれば、長期的に安定した再エネ電力を確保できる。

デメリット

  • 設置コストやスペースの確保が必要。
  • 発電量は天候や立地条件に左右される。

事例紹介 :大川印刷

大川印刷は、工場の屋根に太陽光パネルを設置し、年間の電力消費量の20%を再エネでまかなうことに成功しました。

出典:再生可能エネルギー100%企業になりました!(大川印刷)

2.オフサイト発電 - 外部から再エネ電力を調達する

オフサイト発電は、自社施設外で発電された再エネ電力を購入・調達する手法です。

主な方法

  • PPA(電力購入契約):再エネ事業者が発電した電力を長期契約で購入する。
  • バーチャルPPA:発電地と利用地が異なる場合でも、再エネ証書を活用して再エネ導入を実現する。

メリット

  • 設備を自社で設置しなくても再エネ電力を利用できる。
  • 大規模な再エネ電力を確保しやすい。

デメリット

  • 長期契約が前提となるため、初期の検討に時間がかかる場合がある。
再生可能エネルギーを示す画像

3.再エネ電力メニュー - 手軽に導入する方法

「自社で発電するのは難しい」「長期契約はハードルが高い」と感じる場合、電力会社が提供する再エネ電力メニューを活用する方法があります。

具体例

  • グリーンプラン:電力会社が提供する100%再生可能エネルギーの電力プラン。
  • トラッキング付き再エネ電力:発電地や電力の種類が明確な再エネメニュー。

メリット

  • 初期コストがかからず、手軽に再エネ化を進められる。
  • 小規模なオフィスや店舗でも導入しやすい。

デメリット

  • 電力コストが割高になる場合がある。
  • 電力会社のメニューに依存するため、選択肢が限られる。


ここでクイズ!

Q1:企業が自社で再エネ電力を作り出す手法を何と呼ぶでしょう?

1.オフサイト発電

2.オンサイト発電

3.バーチャルPPA

(答えは記事の最後)

再エネ化に取り組む企業事例

事例1:大手自動車メーカーが太陽光発電導入

自社工場に太陽光パネルを導入し、再エネ比率を50%に引き上げ。余剰電力は地域に供給し、地域貢献にもつなげています。

事例2:小売業界が再エネ電力メニュー切り替え

複数店舗の電力契約を再エネ電力メニューに切り替え、手軽に再エネ化を進めることで企業価値を向上させています。

事例3:中小企業がPPAを契約

外部の再エネ事業者とPPA契約を結び、自社の再エネ率を70%まで向上させました。

再エネ化に関するポイント

再エネ化が可能な企業

再エネ化は、大企業だけでなく中小企業や自治体でも実現可能です。それぞれの規模に合わせた手法で再エネ化を進めることができます。

再エネ化に必要なコストについて

再エネ化のコストは、導入する手法によって大きく異なります。
オンサイト発電では初期費用が必要ですが、再エネ電力メニューの導入は比較的低コストで始めることができます。

自社に適したイニシアティブの選び方

RE100は国際的な大企業向け、RE Actionは中小企業や自治体向けです。
SBTやCDPも含めて、自社の目標や規模に合わせて選ぶことが重要です。

まとめと次のアクション

再エネ化を進めるためには、自社の状況や目標に合わせた手法を選ぶことが重要です。

まとめ

  • オンサイト発電:自社で再エネを生み出す。
  • オフサイト発電:外部から再エネ電力を調達する。
  • 再エネ電力メニュー:手軽に再エネ電力を導入する。

次のアクション

  1. 自社の電力消費状況を把握する。
  2. 3つの手法の中から、自社に最適な方法を検討する。
  3. 具体的な計画を立て、再エネ化に向けた第一歩を踏み出す。

再エネ化は、コスト削減や企業価値向上にもつながります。明日からできる取り組みを見つけ、再エネ化の一歩を踏み出してみませんか?

クイズの答え合わせ

Q1の答え:2. オンサイト発電